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​老犬介護士という仕事【前編】

「犬の介護士になりたい!」

そう、心にしたのは十数年以上も前になります。

 

昔はインターネット関連の仕事をしていました。

20代の時にWEBデザインに携わるようになり、その後数年を経て

企画やディレクションをするようになりました。

WEB関連だけで3つの会社を経験。

(当時、この仕事は引く手あまたで転職や引き抜きは当たり前の時代でした)

先輩の誘いで入った最後の会社。

小さな会社ですがWEBデザインの部署を任されました。

 

WEBの仕事は自分に向いていましたし、好きでした。

部署を任せてもらえたので様々な仕事を行なうことができました。

責任はあったけれど、やりがいもありました。

私が苦手とする細かい事務仕事などは、

他のメンバーが上手にしてくれていましたから大助かりで、

私の得意とする仕事に集中することもできました。

(企画やプレゼンが得意でした)

 

そんな私が結婚を機に「自分を見つめなおす」ことに・・・

それまでは、とにかく目の前の仕事をこなしてきたけれど

生涯の伴侶を得て、ちょっと心に余裕を得たのかもしれません。

自分だけではなく家族となった主人のことも考える立場になったからかもしれません。

 

父が胃がんで亡くなったことも大きく影響しました。

父が余命いくばくもないと知った時には

「この仕事はすぐに辞めてもいいから、そばにいたい」と思いました。

この時、私は仕事を辞めることに悔いがありませんでした。

結局、会社に配慮してもらい辞めずにはすんだのですが・・・

「私にとってこの仕事は、これぐらいのものなんだな」と実感することにもなりました。

 

しばらくして父が亡くなり、空虚な気持ちを抱えることとなりました。

他にも個人的に悲しいできごとが重なり

なおさら心にぽっかりと大きな穴が開いたような状態に。

 

「自分に向いてるけど、お金は稼げるけど、いつ辞めても構わない仕事」

というのは、この時の私には何だか色あせたものになってしまいました。

 

また、「まだまだこれから余生を楽しんでほしい」と思っていた父が亡くなったことで、

生きること、自分らしく暮らすこと、などを模索したい気持ちになっていったのです。

 

仕事を辞めて介助犬のボランティアを始めました。

大好きな犬に関わるボランティアは、かねてからの念願でした。

最初は気楽に始めるつもりでしたが、どんどん介助犬のお世話に没頭し始めました。

数年経ち、いつもそばにいた代表やトレーナーさんからたくさんの学びを得て

いつの間にか私も「犬に関わる仕事をしたい」と思うようになりました。

特に、高齢になった介助犬のお世話が好きで

やりがいを感じました。

 

そこからはとっても早かったです。

開業するための資格や研修を1年で集中的にとって

ドッグヘルパー One by Oneをスタートしました。

 

それまでの仕事と何が違うか?というと

180度違う世界です!

 

昔の仕事は、パソコンの前に座るのが大半。

時々クライアントのところに行ってプレゼンしたり会議したり。

 

今は、体を使ってシニア犬と接し

介護で困っているご家族と接し・・・

とにかく「充実」しています。

 

もっとなでて♪とおねだりするわんこさんのモフモフの毛をなでて

毛だらけになったり

へそ天する姿に「かわいい!」と何度も言ってデレデレしたり。

シニア犬とのお散歩で季節の花をいっしょに眺めたり。

時には天国に旅立ったわんこさんを想ってご家族と涙することもありますが

体と頭と五感、全てを使っている、

そんな仕事です。

 

あ、正直申しますと年収は違います(笑)。

WEBの仕事の時は管理職でもあったので

収入は良かったのです。

今は、フリーランスの老犬介護士ですから波があります。

コロナの緊急事態宣言渦中では、仕事も激減しました。

 

でも、仕事の対価ってお金だけはありません。

お金以上の素晴らしい対価を、今の仕事では得ています。

お金ではとうてい手にできない価値です。

 

「犬の介護士という仕事」

続きは・・・後編でまたお伝えします。

昨日は北海道犬のピリカちゃん

17才のおうちへ。

 

足元のふらつきが気になる、とのことで

ご家族にアドバイスを♪

住環境のポイントや介護用品、

介護予防のアドバイスなど。

 

ピリカちゃん、この春17才になったばかり!

ゆっくりと 楽しく 快適に年をとっていこうね。

 

アドバイスを通して「まだまだできることがあるのね!」とピリカちゃんのママさん、

とても喜んでくださいました。

 

愛犬のシニア期で心配なこと、不安なこと

ご家族だけで抱えずに

どうかお手伝いさせてください♪

​(2022年4/16のブログ記事を加筆修正したものです)

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